安部公房
代表作
『砂の女』・『壁』・『箱男』 など
 
ミーハー度 
20%
共感度
45%
 
笑い度   
60%
変態度
70%
 
泣き度   
5%
難易度
22%
 

読みやすくて面白い。短編小説の巨匠、安部公房。
時代的には、
三島由紀夫と同年代(戦後)です。
恋愛ものはちょっと、とか
情緒的なものはちょっと、とか
一文は長くない方がいい、とか
いう人におすすめです。
推理小説のように
ぐんぐん読めること請け合いです。
(私、推理小説読みませんが…)

私が彼に出会ったのは、
高校の教科書ででした。
『空飛ぶ男』という、
とんでもないタイトルのくせに、
タイトルそのまんま、
空を飛んでいる男の話なのです。
何これすごい面白い!と一発で思いましたね。
有り得ない話の中に、
人間の本質が描かれていて、見事でした。

淡々と不条理なことが起こるという点では、
川上弘美と共通しています。
カフカの影響を強く受けていると思われます。
だいたいが、まともじゃない世界に
放り出されたまともな主人公が、
怒ったり、困ったり、
酷い目に合ったりする話です。
この酷さが真に迫っていて、
けっこうはらはらしたりします。

文学史の教科書なんかに
顔写真が載っているのではないかと
思われますが、見たことあるでしょうか。
天然パーマが爆発している眼鏡顔は、
インパクトありますよ。

新潮文庫で水色の背表紙。


おすすめ作品


『壁』
壁にまつわる短編集。
ある朝突然胸がからっぽになっていて、
会社に行ったら、
自分の名刺が椅子に座っていたりします。
胸の陰圧によって雑誌の挿絵を吸収してしまい、
窃盗罪で裁判に巻き込まれてしまいます。
世の中が、
全く不条理な現実によって動いていることに
主人公は気づきます。
最後は主人公が壁になって終わる、
という素敵な結末です。
そういえば、不思議の国のアリスチック
でもあるかもしれません。
知的なユーモア溢れます。
この作品で芥川賞受賞。