有島武郎。白樺派の作家です。 でも、白樺派(武者小路実篤・志賀直哉)にしては もっと暗かったり先進的だったりします。 白樺派を完成させた、頂点だ、 みたいに心酔している人が けっこう多いです。
彼は自殺しています。 長生きな白樺派では珍しいです。 しかも情死です。 キリスト教徒だったのですが、 お坊ちゃまな自分と、 貧しい人を救済したいという思いが 葛藤していたようです。 とても愛に溢れ、視野が広く、 芸術センス溢れた人 だったに違いないと私は思っています。
新潮文庫でベージュの背表紙で出ています。
●おすすめ作品 『或る女』 美貌の女の波乱万丈な人生を描きます。 そういう主題の作品は フランス小説などに よく見られるのですが (ゾラ・フローベールなど)、 ただ浮気だなんだに終わらず、 主人公の女の心理的葛藤とか狂気が とても上手に描写されていて、 他の似た主題のものより、 断然面白かったです。 主人公の性格も作り物の 単純明快なものでなく、 真に迫っています。
その他…『カインの末裔』 『小さき者へ』『生まれ出づる悩み』 評論では『惜しみなく愛は奪ふ』など